政府系ワゴンは今までで最も少ない揺れで走った。
まず、絵葉書を出せるポストオフィスに向かってくれた。
ウダイプルで買った絵葉書をインド旅行のことでお世話になった先輩に送るためだ。
国際郵便は１５Rs（３７円）お手軽価格なので、どんどん送ってみよう！
車は混み混みの一般道を避けてなんと政府専用道路を通って行った。
他の車が誰もいない。
たまに、工事の車とすれ違うだけだった。
遠くにジャｲガール要塞が見えてきた。
殺風景な要塞だ。
山道の途中、綺麗な鳥の群れが見えた。
なんだろうと、この政府系オヤジに聞いてみると
「あれはpeacockだ！」
「peacock?英語が分からない。」
「インドの国鳥だよ！」
と言った。
そこで、鳥の１羽が美しい羽を開いた。
「ああ、クジャクかあ！」
そう、インドには野生のクジャクがたくさんいるのだ。
日本では動物園にしかいないのに。
←野生のクジャク。クリックして拡大すると見えます。
中に入って行くと、殺風景な城が広がっていた。
朝１だったのでだれもいない。
城壁の上を猿が疾走する。
にらみ付ける→にらみ返す→威嚇してきた
→怖いから逃げた
←ジャイガールフォートの猿
インドには他にワイルドな生物が多数生息する。
犬、牛、豚、イノシシ、リス、クジャク
ラクダ、象、馬、ロバ、猿
そしてインド人
この集合体こそがインドをインドたる所以なのだ。
景色が良いといわれたが、これまた殺風景な景色でお世辞にも美しいとは思えない。
←ジャイガールフォートから見た殺風景な風景。
探検したが、いまいち面白みに欠けた。
かつて、国の長がここに住んだと言われているが、この殺風景なところで暇だったろうなあ。
←殺風景なジャイガールフォート
入口に戻ると政府系オヤジが入口の連中と談笑していた。そこで、入口の連中は僕に対して、
「お前はジギジギをしたことはあるか？」
と聞いてきた。
「ないよ！」
「へえ、女を知らないのか？」
「はあ…」
もう慣れた。
＜政府観光局の観光！
～お土産屋の道案内と陰謀＞
政府系観光は次に、アンベール城に向かった。
美しい城があるそうだ。
車は、入口に止まったが、政府系オヤジはまた
「俺はここでまっている」
と言った。観光案内はしてくれない。
←アンベール城。何処が入り口か分からない。
何処が入口か分からずに右往左往していると、１人の若者が声をかけてきた。
「何処が入口か分からないんだろ？俺が入口まで連れて行ってやるよ。」
と言った。彼はするすると入口まで連れて行ってくれた。
しかし彼はその入口にお土産屋を構えていたのだ。
「おっし、ついたぞ。」
僕「おっ、ありがとう。またな！」
「じゃあお礼にお土産を買ってもらおうか！」
僕「いや、今はいらない。」
「いや、俺は道案内をしてやったんだ。だから買うのがお前のduty（義務）だ！」
と態度を豹変させて言い放った。
そこで、僕は怒って、
「I didn’t ask you to take me here!!!!（ここに連れてきてくれって僕から頼んだわけじゃないだろ）。それなのにお礼もくそもないだろ！」
と怒鳴り声で言った。そして、無視して中に入っていった。
罵声を浴びせ掛けてきたが、それ以上追っかけてこなかった。
欲しいものがあれば買えば良い。
でも欲しいものが無い。
だから、買わない。
押し付けの親切に見かえりを求めるのは言語道断で、相手の言いくるめに納得してはいけない。
自分の意志をきちんと示すべき。
だから、日本人はインド人にナメられる。
入口で、サドゥー（ヒンドゥー教の聖者）が何かをぶら下げて立っていた。
カメラだった。
シティパレスに限らず、多くの観光地で金を払わないとカメラを持ちこめない。
このサドゥーは金を払いたくない観光客のカメラを預かっていたのだ。
だが、持ち逃げされるのが怖くて預けれなかった。
でも一応きちんと預かって、それでお金をもらってるみたいだった。
律儀なサドゥーだった。
中はステンドグラスの美しい城だった。
日本人の女の子の団体が居た。
そこに日本語を使えるガイドが居たのでこっそりついていって解説を聞いていた。
中国では、堂々と日本人ツアーの中に入っていって添乗員の人と仲良くなったが、ここではこっそり聞いただけだった。
綺麗だったがそれだけのもので、特に印象深いことは起きなかった。
でも、水周りのコントロールをしているインド人と話をした。
その仕事ぶりを見てるのは楽しかった。
ジャイプルでの今までのインド人に比べて殺気がなく、心が癒された。
僕の旅は「交流中心」
観光地めぐりも良い。遊ぶのも良い。珍しいものを見るのもよい。
でも、そこに加えて「出会い」という要素が無ければ、やはりあまり印象に残らないのだ。
僕は人と話しをする事が、限りなく楽しいのだ。
そして、
一生会う事はないだろう、って人に何百人と出会う
でも、その１人１人の出会いが旅の思い出を作り、一つ一つが大きな経験となっていく。
「一期一会」
と言葉にするのは簡単だが、その重みを実際に実感できるのが「旅」である。
＜宝石屋に潜入！＞
政府系オヤジは最後にピンクシティ（旧市街）に降ろしてくれて別れた。
予定通り！なかなか完璧な仕事ぶりである。高いけど。
←旧市街は町中ピンクに塗られ、だからピンクシティと呼ばれる。
←旧市街にある風の宮殿。
シティパレスの切符売り場で１５０Rs（３７５円）という高さに戸惑っていると、従業員が中に入れっと自分の仕事場に入れてくれた。
彼は、公務員の給料とかを教えてくれた。
月給が大体５０００Rs（１２５００円くらい）らしい。
リキシャマンの人が大体２５００Rs（６２５０円）って言ってたから、公務員は多少給料がいいんだなあ。
そうすると、日本人ってこういった人々の「年収」を持ち歩いている事になるんだなあ。
なるほど、日本で５００万円持って旅している人がいたら、がんがん買って欲しいって思うわなあ。
シティパレスで肥満マハラジャの服を見て外に出たとき、若者連中に声をかけられた。
